症例
良好な経過をたどった粘膜下筋腫合併妊娠の1例
利光 正岳
1
,
神尊 貴裕
,
濱井 葉子
,
今西 由紀夫
1東京警察病院 産婦人科
キーワード:
MRI
,
子宮筋腫
,
分娩後出血
,
超音波診断
,
妊娠合併症-腫瘍性
,
自然分娩
,
母性年齢35歳以上
,
正期産
Keyword:
Postpartum Hemorrhage
,
Leiomyoma
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Natural Childbirth
,
Pregnancy Complications, Neoplastic
,
Ultrasonography
,
Term Birth
pp.647-651
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00535.2016351357
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36歳(1経妊0経産)。粘膜下筋腫の加療目的で前医より紹介となった。受診時、月経不順ほか、子宮内腔の圧排を伴う最大径29mm、非有茎性の単発性粘膜下筋腫が左側後壁に認められた。治療にあたっては、患者の挙児希望を考慮するも、排卵誘発薬で妊娠成立しない場合は筋腫核出術の方針となった。以後、クエン酸クロミフェンによる排卵誘発を行なったところ、2周期目で妊娠が成立、妊娠13週目には筋腫に一致する部位に自発痛と圧痛が認められるも、超音波では異常所見なく、アセトアミノフェン内服のみで疼痛管理が行われた。一方、粘膜下筋腫は妊娠前の約3倍まで増大したが、切迫流早産の徴候はなく、妊娠38週目に計画分娩としてオキシトシンによる陣痛誘発を行い、2724gの男児を経腟分娩した。その際、出産後に筋腫表面からの出血が認められたが、腹部超音波ガイド下にメトロイリンテルを子宮体下部に挿入後、蒸留水を注入し、腟内をガーゼパッキングすることで止血し得た。尚、経過良好で、患者は産後5日目に退院、粘膜下筋腫も退縮傾向にある。
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