特集 産婦人科における素朴な疑問と解説(2)産科編
妊娠中の子宮筋腫の変性に抗菌薬は使うべきなの?
津田 弘之
1
1日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院 産婦人科
キーワード:
抗細菌剤
,
子宮筋腫
,
妊娠合併症-腫瘍性
,
芍薬甘草湯
Keyword:
Anti-Bacterial Agents
,
Leiomyoma
,
Pregnancy Complications, Neoplastic
,
Shakuyaku-kanzoh-toh
pp.1197-1200
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00525.2023015692
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子宮筋腫合併妊娠は様々なリスクと関連しているが,最も頻度の高い合併症が筋腫変性痛である.筋腫変性痛は子宮筋腫部に一致した突発的な強い疼痛が特徴で,ときに発熱,白血球増多,そしてCRP高値などを伴う.管理方針は疼痛管理をメインとする対症療法であり,抗菌薬が有効であるとするエビデンスは乏しい.しかし,日常臨床の中では子宮内感染や絨毛膜羊膜炎による疼痛と鑑別が難しい場合も多く,炎症反応の上昇や痛みの増強などがある場合,抗菌薬を使用することもある.
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