連載 特集アドバンストコース
『臨床画像』2017年1月号特集 サルコイドーシス:疾患概念と最新の画像診断
木村 文子
1,2
1PsIクリニック
2(株)ダイヤメディカルネット
pp.496-499
発行日 2017年4月26日
Published Date 2017/4/26
DOI https://doi.org/10.18885/cij.201733040496
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サルコイドーシスは原因不明の多臓器疾患で,病理学的には類上皮・非乾酪性肉芽腫病変を特徴とする。わが国における死亡率は5%程度と低いが,その8割近くが心臓死である。また,欧米に比べて日本人には心臓病変が多い。心筋病変の診断には,心筋生検が行われてきたが,侵襲的方法であり,肉芽腫検出率は2割程度と低い。また,以前より診断に用いられているGaシンチグラフィは,心臓病変検出感度が非常に低いことが問題になっている。近年,ガドリニウム遅延造影MRIとFDG–PETが心臓MRI診断に有用であることが多くの論文で証明された。このため,日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会から出されている最新の『サルコイドーシスの診断基準と診断の手引き–2015』では,FDG–PETが心臓サルコイドーシスの主徴候に加えられ,MRIによる遅延造影像は副徴候から主徴候に格上げとなった。
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