JIM臨床画像コレクション
サルコイドーシス
宮地 良樹
1
1群馬大学医学部皮膚科
pp.575
発行日 1996年7月15日
Published Date 1996/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901857
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サルコイドーシスは皮膚科領域ではしばしば遭遇する非感染性肉芽腫性疾患である.他臓器ですでに本症を示唆する所見がある場合は,皮膚生検により診断を確定するが,皮疹が初発症状の場合,肉芽腫を思わせる紅色隆起性の結節をみたら本症を想起すべきである.同様の意味で,耐糖能異常を認めることが多いとされる環状肉芽腫,感染症である皮膚結核や皮膚非定型抗酸菌症も鑑別に挙げられる.
写真は比較的典型的と思われる結節型を示したが,本症にはこのほか,局面型(境界鮮明な,辺縁隆起性の中央萎縮性皮疹が遠心性に拡大する),びまん浸潤型(凍瘡を思わせる腫脹を伴うびまん性紅斑で下床に骨病変を伴うことがある),皮下型(表面皮膚は正常で,皮下に鶏卵大までの結節を多発する)などがあり,珍しい場合には,苔癬様丘疹を多発する苔癬様型,紅皮症型,結節性紅斑様皮疹などが報告されている.瘢痕浸潤は陳旧性瘢痕(膝や肘のすりきずなど)が急速に変化して紅斑や結節を生じるものである.結節型は顔面に多いが,局面型は前額部など,びまん浸潤型,皮下型は四肢などに好発することが多い.
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