変形性膝関節症の疼痛管理

変形性膝関節症（osteoarthritis of the knee；膝OA）の保存療法の目的は，疼痛を緩和し，日常生活動作（activities of daily living；ADL）の拡大および生活の質（quality of life；QOL）の向上を図ることである。MRIにより識別可能な滑膜炎や骨髄浮腫（bone marrow lesion；BML）は独立して疼痛に関連することが示されており，これらの所見は治療標的として重要である。慢性化した痛みでは中枢性感作や心理社会的要因も疼痛の増悪に関与する。実際の薬物療法では，疼痛機序と患者の併存疾患に応じて，ガイドラインも参照しながら適切な薬剤選択が求められる。