特集 小児骨折―見逃さないために―
Ⅱ 各論
下肢
脛骨近位部骨折
青木 清
1
,
野田 知之
2
1旭川荘療育・医療センター整形外科
2川崎医科大学総合医療センター整形外科
キーワード:
脛骨顆間隆起骨折(tibial eminence fracture)
,
Meyers-McKeever分類(Meyers-McKeever classification)
,
脛骨粗面骨折(tibial tuberosity fracture)
,
Ogden分類(Ogden classification)
,
成長軟骨板(骨端線)損傷〔growth plate(epiphysis)injury〕
,
Salter-Harris分類(Salter-Harris classification)
Keyword:
脛骨顆間隆起骨折(tibial eminence fracture)
,
Meyers-McKeever分類(Meyers-McKeever classification)
,
脛骨粗面骨折(tibial tuberosity fracture)
,
Ogden分類(Ogden classification)
,
成長軟骨板(骨端線)損傷〔growth plate(epiphysis)injury〕
,
Salter-Harris分類(Salter-Harris classification)
pp.155-169
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.18885/JJS.0000001388
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
小児の脛骨近位部骨折は,その解剖学的特徴から,①脛骨顆間隆起か脛骨粗面の裂離骨折,②成長軟骨板損傷,あるいは,③骨幹端損傷,の3パターンとなることが多い。
脛骨顆間隆起骨折は,前十字靱帯の付着部の骨折であり,関節内血腫を認める。転位骨片は,関節鏡視下か直視下での整復・固定が必要である。
脛骨粗面骨折は,膝伸展機構の損傷であり,コンパートメント症候群にも注意が必要である。
成長軟骨板損傷は,不安定な場合にはKirschner鋼線固定が望まれる。血管損傷の可能性がある。また,Salter-Harris分類にかかわらず,長期的な成長障害や変形が生じる可能性がある。
脛骨近位骨幹端骨折は,①3~10歳頃に起こりやすく,後に外反変形が生じやすい若木骨折(Cozen骨折)と,②血管損傷やコンパートメント症候群が生じやすい完全骨折,の2つが特徴的である。
脛骨近位部骨折は,疲労骨折や若木骨折などでも生じる。生じた仮骨は,骨髄炎などの感染,骨肉腫(膝周辺に起こりやすい)などの悪性腫瘍による骨膜反応と鑑別を要する。
Copyright © 2023, MEDICAL VIEW CO., LTD. All rights reserved.