- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
「朝のこわばり」とは,起床時の手指,腰など限局した部位や,全身の関節の動かしにくさのことをいいますが,英語では「The subjective complaint of localized or generalized lack easy mobility of the joints upon arising」と定義されています。「朝のこわばり」という用語は,関節リウマチ(rheumatoid arthritis;RA)の疾患活動性の指標として,1950年代初頭から使用されるようになりました。当時はまだ診断基準はなく,評価法も1958年にRAの活動性の指標としてLansbury指数が提唱されたのみでした。1987年にAmerican College of Rheumatology(ACR)分類基準が発表されました。どちらも「朝のこわばり」が含まれており,疾患活動性やRA分類基準に重要な因子として認識されていました。現在広くRAの疾患活動性の指標として使用されているACRコアセット,Disease Activity Score(DAS)28や,2010年に発表されたACR/European alliance of associations for rheumatology(EULAR)分類基準の因子には「朝のこわばり」は含まれておらず,臨床研究における必要性は減少しているのが現状です。しかし,現在でも議論されており,「朝のこわばり」をタイトルに入れた論文は散見されます。2016年に発表された論文では,アジア太平洋の国と地域の8人のエキスパートで構成されたThe Asia Pacific Morning Stiffness in Rheumatoid Arthritis Expert Panelで,「朝のこわばり」について表1のような10個のコンセンサスが提示されています。
Copyright © 2022, MEDICAL VIEW CO., LTD. All rights reserved.