演習 —内科専門医による—実践診療EXERCISE
体重増加,四肢のこわばり/嚥下困難,四肢の筋力低下
石沢 晋
1
1新座志木中央病院
pp.1065-1068
発行日 1986年6月10日
Published Date 1986/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220420
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15歳のとき,身長が112cmしかないため,近医を受診し,甲状腺ホルモンの投与をうけた(薬剤名や量は不明).その後,服薬を続けたが,25歳のとき,通院をやめ服薬を中止した.その後2年間で70kgの体重が104kgとなり,全身倦怠感と易疲労感を認め当院を受診した.約1年前,某医院で肝障害を指摘されている。患者の言語,動作は緩慢で四肢のしびれとこわばりを訴えている.学歴は高校卒で成績は中等である.他の既往歴,家族歴に特記すべきものはない.
入院時現症:身長145cm,体重104.5kg,脈64/分・整,呼吸15整.皮膚は粗造で乾燥す.体温36.2℃,血圧106/70,頭髪は粗で脱毛あり,両側眉毛の外側やや希薄,貧血(-),黄疸(-),舌肥厚,甲状腺腫(-),肺野・清,心音・微弱なるも純,腹部・肝脾腎触知せず,陰部・著変なし.四肢非圧迫性浮腫(+),聴力やや減弱,腱反射・弛緩時間やや遅延.
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