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特集 患者満足度を高める糖尿病診療
第1部 外来で患者満足度を高める
こんな患者を診るとき
手の痛みとこわばり
Differential diagnosis and treatment of hand pain and stiffness
向井 正也
1
1市立札幌病院免疫血液内科
キーワード:
シャルコー関節
,
関節リウマチ
,
変形性関節症
,
手根管症候群
,
屈筋腱腱鞘炎
Keyword:
シャルコー関節
,
関節リウマチ
,
変形性関節症
,
手根管症候群
,
屈筋腱腱鞘炎
pp.195-198
発行日 2005年2月15日
Published Date 2005/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100664
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手の痛い患者では,病歴をよく聞いて手指の関節所見を取る
手の痛みは糖尿病性神経症以外に関節リウマチ,変形性関節症,手根管症候群,屈筋腱腱鞘炎などを鑑別します.
外来指導の実際
糖尿病患者が手の関節痛やこわばりを訴えてきた場合には,糖尿病性神経症を除外します.これの多くはしびれ感として生じ,手袋靴下状の感覚異常と知覚喪失を生じ,左右対称で下肢に多く,上肢にのみ生じることはまれです.糖尿病のコントロールが悪い時期が長く続いていることが多く,シャルコー(Charcot)関節という変形が強い割には痛みを伴わない変形を認めます.シャルコー関節は通常膝などの大関節に認められ,手関節にも生じえます.
◆病歴と診察所見の取り方
糖尿病に直接関連したもの以外にも様々な疾患が鑑別の対象となりますが,重要なことは患者の病歴と診察所見です.発症の仕方が突然で,特に何らかの運動負荷後に生じて,片側性であれば,手根管症候群や屈筋腱腱鞘炎等を考えます.また発症がゆっくりで,発症時期を特定できず両側性であれば,変形性関節症(OA)が疑わしいですし,発症の時期がある程度特定される両側性の場合は,関節リウマチ(RA)や乾癬性関節炎等が疑われます.この他に急速に発症して,高熱を伴っているときにはウイルス感染症による関節痛が疑われます.
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