特集 整形外科の外傷治療-現状と課題-
Ⅴ. その他のトピックにおける現状と課題
骨折治癒促進を目指した,臨床へとつなげる基礎研究
新倉 隆宏
1
,
大江 啓介
1
,
福井 友章
1
,
黒田 良祐
1
1神戸大学大学院医学研究科外科系講座整形外科学
pp.145-150
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.18885/JJS.0000000281
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実臨床において骨折治癒促進に適用可能な手段は限定されており,新たな骨折治癒促進法の開発・臨床応用は,骨折治療にたずさわる整形外科医なら誰しもが望むものである。骨折の内固定法の進歩には目覚ましいものがあり,日々新しい内固定材料が臨床現場へと供給されている。これに比べれば,臨床使用可能な骨折治癒の生物学的な促進法の開発は遅れているというのが現状であり課題である。また,骨折を題材とした数多くの基礎研究が行われている一方,その成果が臨床へと直結しているものは少ないというのが現状である。基礎研究から始め,その成果を臨床へとつなげる出口まで見据えた研究を計画していくことが課題となる。
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