特集 震災時における循環器医療を改めて考える
診る 循環器内科医が震災地域に派遣されたら何をすべきか
神崎 綱
1
,
苅尾 七臣
1自治医科大学 循環器内科学
キーワード:
高血圧
,
災害対策
,
食事
,
心臓血管疾患
,
心不全
,
心理的ストレス
,
リスク
,
地震
,
ストレス障害-急性
,
心筋症-たこつぼ型
,
静脈血栓塞栓症
,
急性冠動脈症候群
Keyword:
Cardiovascular Diseases
,
Disaster Planning
,
Diet
,
Hypertension
,
Heart Failure
,
Risk
,
Stress, Psychological
,
Stress Disorders, Traumatic, Acute
,
Venous Thromboembolism
,
Earthquakes
,
Acute Coronary Syndrome
,
Takotsubo Cardiomyopathy
pp.1092-1097
発行日 2017年12月9日
Published Date 2017/12/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2018060327
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
災害時、被災者は精神的にも非常に大きなストレスを受ける。循環器系は最もストレスの影響を受けやすい臓器系の1つであり、急性期の対処が必要な疾患も多い。1995年1月17日発災の阪神・淡路大震災[最大マグニチュード(M)7.3]や2004年10月23日発災の新潟県中越地震(最大M6.8)などにおける報告によると、急性冠症候群、たこつぼ心筋症、肺塞栓症などが増加したことが報告されている。また、2011年3月11日発災の東日本大震災における調査研究によれば、阪神・淡路大震災、新潟県中越地震で報告されていた急性冠症候群や肺塞栓症の増加に加え、心不全・心室性不整脈が増加し、冠攣縮性狭心症も生じやすくなっていたとされている。海外の事例では、1994年発災のアメリカのカリフォルニア州ロサンゼルスで発生したノースリッジ地震の際は心臓突然死が急増したと報告されている。動脈硬化病変を有する状態に肉体的・精神的ストレスという負荷が加わることで、心筋梗塞を含む急性冠症候群の発症が増加したものと考えられている。
(刊行時の通巻頁数に誤りがありました。本文は修正後の通巻頁数が表示されています。)
Copyright© 2017 MEDICAL VIEW CO., LTD. All rights reserved.