特集 震災時における循環器医療を改めて考える
治す 震災時におけるDMATの役割
近藤 祐史
1
1日本赤十字社医療センター 救急部
キーワード:
救急医療サービス
,
災害対策
,
地震
,
阪神淡路大震災
,
医療コーディネーター
Keyword:
Disaster Planning
,
Emergency Medical Services
,
Earthquakes
pp.1171-1176
発行日 2017年12月9日
Published Date 2017/12/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2018060339
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1995年の阪神・淡路大震災において、われわれはさまざまな教訓を得た。特に詳細な検証の結果、「防ぎえた災害死(preventable disaster death:PDD)」が約500名程度存在した可能性があったという衝撃的な報告が、災害派遣医療チーム(Disaster Medical Assistance Team:DMAT)をはじめとする災害医療政策の原点となっている。2005年に発足した日本DMAT(以下、DMAT)は、これまでに数々の実災害に出動し、活動を重ねてきた。この12年間で11,481名(医師3,496名、看護師4,734名、業務調整員3,251名)と隊員数も着実に増加しており、特に東日本大震災以降は社会的な認知度も徐々に上がってきている印象である。DMATは、発災当初の医療空白を埋めるべく、災害現場から広域医療搬送に至るまで間断なき救命医療の提供を目標とし、概ね48時間程度の活動時間を想定した、機動性の高い災害医療チームというコンセプトの下に発足したものである。近年、自然災害の増加に伴ってDMATの出動事案も多くなっている。そのたびに得た教訓にしたがってDMAT活動要領も更新されるため、発足当初のDMATの活動イメージから拡大し、異なる部分も増えている。今回はDMATの実像について、現在求められている実務内容や災害時の医療体制における役割などを中心に述べる。
(刊行時の通巻頁数に誤りがありました。本文は修正後の通巻頁数が表示されています。)
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