特集 一人の診察であわてないために!病状と検査結果から導き出す確定診断のコツ
救急外来(急性冠症候群) rule-in 安定型虚血性心疾患(安定狭心症)は問診で診断できるのか?そして、それならいつ検査を行うのか?
池村 修寛
1
1慶応義塾大学 医学部循環器内科
キーワード:
病院救急医療サービス
,
病歴聴取
,
心筋血流イメージング
,
狭心症-安定
Keyword:
Emergency Service, Hospital
,
Medical History Taking
,
Myocardial Perfusion Imaging
,
Angina, Stable
pp.19-22
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2018029931
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従来は安定型虚血性心疾患(stable ischemic heart disease;SIHD)の延長線上に急性 冠症候群(acute coronary syndrome;ACS)が存在し,SIHDに対する血行再建術が生 命予後の改善に大きく寄与すると考えられ,その解剖学的重症度に応じて積極的な血行再 建術が行われてきた。しかし,2007年のCOURAGE試験1)をはじめとしたさまざまな大 規模臨床試験で,至適薬物療法および生活習慣指導が血行再建術に劣らないこと,および SIHDに対する血行再建術による生命予後に関する利益が明らかでないことが示されたの を皮切りに,SIHDの診断および治療のメインフィールドは診察室に移りつつある。 SIHDは,問診のみですべての診断を下すことは不可能であるが,問診である程度検査前 確率を予測し,それに準じた検査の提供を行うことが現行のヨーロッパのガイドラインで 推奨されている。まずここで具体的な症例を一つ提示し,欧米のガイドラインベースの治 療が行われた場合の経過を記す。
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