特集 成人先天性心疾患 正確な患者評価から適切な治療へ
診る 診断のアプローチ 病歴、手術歴、診察および検査所見から
坂本 一郎
1
1九州大学 大学院医学研究院循環器内科
キーワード:
Fallot四徴症
,
心室中隔欠損
,
心臓疾患-先天性
,
心房中隔欠損
,
大血管転位症
,
Fontan手術
Keyword:
Heart Defects, Congenital
,
Heart Septal Defects, Atrial
,
Heart Septal Defects, Ventricular
,
Transposition of Great Vessels
,
Tetralogy of Fallot
,
Fontan Procedure
pp.452-457
発行日 2017年5月9日
Published Date 2017/5/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017220944
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成人先天性心疾患(adult congenital heart disease;ACHD)患者が新しく外来を受診するのは,成人期になって初めて先天性心疾患を疑われ受診する場合と,小児循環器施設から成人循環器施設へ移行を目的とする場合がある。心房中隔欠損症などの単純先天性心疾患は前者のパターンが多く,複雑先天性心疾患の場合は,幼少時にチアノーゼ・心雑音を認め,診断・治療されている可能性が高いため後者のパターンが多い。もちろん複雑先天性心疾患の症例であっても,不整脈などの症状が出現して,救急外来が初診の場になる症例や,修正大血管転位症のように成人期になって初めて診断をされる症例もある。本稿では各論になりすぎないように,(1)単純先天性心疾患,(2)複雑先天性心疾患に大きく分けて,代表的な疾患についてのみ,通常の外来診察室での病歴聴取,診察や検査所見からの診断へのアプローチを解説したい。
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