正常か異常かを見きわめる

胸部単純X線写真で正しく診断を行うには正常解剖,正常変異の理解が必要であり,見落としなく病変を拾い上げるには,系統的な読影が必要である。しかし,胸部単純X線写真では正常か異常かの見きわめが難しい場合がある。正常解剖や紛らわしい正常変異,偽病変を認識したうえでかすかな所見をとらえ,異常所見と区別することにより,正しい診断が行える。肺野･縦隔の正常変異や偽病変と,肺野･縦隔に重なる骨･軟部組織による偽病変について,代表的な疾患を提示する。