特集 関節の再生医療
関節炎に対する再生医療的治療法
小泉 宏太
1
,
中村 憲正
1大阪警察病院 整形外科
キーワード:
関節炎
,
疾患モデル(動物)
,
軟骨疾患
,
Th1細胞
,
治療成績
,
再生医学
,
組織工学
,
間葉系幹細胞移植
,
間葉系間質細胞
,
軟骨再生
Keyword:
Arthritis
,
Cartilage Diseases
,
Disease Models, Animal
,
Treatment Outcome
,
Th1 Cells
,
Tissue Engineering
,
Mesenchymal Stem Cell Transplantation
,
Regenerative Medicine
,
Mesenchymal Stem Cells
pp.1275-1278
発行日 2017年12月19日
Published Date 2017/12/19
DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2018087245
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はじめに
現在,軟骨損傷に対する再生医療は損傷部に対 して修復の足場となる細胞外基質(スキャホール ド)を補填する手法,組織修復を促すための薬剤 や細胞などを投与する手法,損傷部で生着するこ とを期待して軟骨細胞もしくは未分化な細胞を投 与する手法,またはそれらを組み合わせた手法が 主に行われている。しかし, 関節リウマチ (rheumatoid arthritis;RA)を代表とする関節炎 を伴う疾患患者の関節内では,高い炎症性サイト カインの影響で異化作用が亢進しており1),いず れの治療法においても軟骨再生にとっては過酷な 環境である。従って,関節炎を伴う関節内の軟骨 損傷に対する治療においては,損傷部の修復を目 指した局所的な治療に加えて,関節内もしくは全 身的な炎症コントロールが不可欠である。 本稿では,関節炎に対する再生医療的治療法の 可能性についての現況と筆者らの基礎データを交 えて紹介する。
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