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これだけは知っておきたい、整形外科的徒手検査法(第14回) 上肢-手 Eichhoff test
三橋 龍馬
1
,
帖佐 悦男
1野崎東病院 整形外科
キーワード:
疼痛測定
,
De Quervain病
Keyword:
Pain Measurement
,
De Quervain Disease
pp.194-195
発行日 2017年2月19日
Published Date 2017/2/19
DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2017116359
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1895年de Quervain1)は,橈骨背側のfirst compartmentの長母指外転筋腱(abductor pollicis longus;APL)と短母指伸筋腱(extensor pollicis brevis;EPB)の橈骨茎状突起付近での狭窄性腱 鞘炎(de Quervain病)を報告した。de Quervain病の本態はEPBの腱鞘炎であることが証明され, その発症や難治性の要因の1つに隔壁があるとの報告が散見される。 Eichhoff2)は,1927年に母指が固定された状態での手関節の尺屈運動が原因であると独文で報告し た。この報告内に記載のあるテストが“Eichhoff test”である。Eichhoffが報告した3年後の1930年に, Finkelstein3)が英文でEichhoff testについて引用記載した。そのため,以降はEichhoff testが Finkelstein testとして誤用され, わが国の教科書においてもたびたび誤記載されてきた。 Finkelsteinはその報告内にてオリジナルのテストを報告しており,Finkelstein testは Eichhoff testとは異なる疼痛誘発テストである。
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