特集 足の腱トラブル
腱付着部障害の病因と病態
篠原 靖司
1
1立命館大学 スポーツ健康科学部
キーワード:
局所解剖学
,
脂肪組織
,
足部損傷
,
腱付着部症
Keyword:
Enthesopathy
,
Anatomy, Regional
,
Adipose Tissue
,
Foot Injuries
pp.12-19
発行日 2017年1月19日
Published Date 2017/1/19
DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2017100459
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はじめに
足の腱は手の腱と同様に他の部位より筋から腱への移行が早く,腱実質部が長い。しかしながら,ヒトは足関節を90°に曲げることで,足の接地を獲得し,直立二足歩行を行うことができている。つまり,足の腱は手と異なり,足関節の位置で約90°に曲がり,足部から足底に向かって走行していることが特徴であるといえる1),2)。足の腱の機能は,足部・足関節の安定性を保ちつつ,筋からのエネルギーを骨や関節に効率よく伝達することである。そのため,腱の骨への接合部である腱付着部(enthesis)には強大な負荷がかかることが予想される。腱付着部には特殊な組織構造が存在しているが,同部位は腱の障害の主な罹患部位であることが知られている。本稿では,この腱付着部障害(enthesopathy)の病因と病態を詳細に解説する。
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