特集 もう迷わない! 循環器薬物処方〜若手医師へ贈る熟練医の処方の考え方
Ⅰ 循環器薬の特徴について識る
11. 肺高血圧治療薬
瀬戸山 航史
1
,
片岡 雅晴
1
1産業医科大学第2内科学
キーワード:
肺動脈性肺高血圧症
,
慢性血栓塞栓性肺高血圧症
,
肺血管拡張薬
,
多剤併用療法
Keyword:
肺動脈性肺高血圧症
,
慢性血栓塞栓性肺高血圧症
,
肺血管拡張薬
,
多剤併用療法
pp.59-63
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.18885/HV.0000001391
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肺高血圧症はなんらかの原因で肺動脈圧が上昇して,肺動脈のリモデリングや右室機能の低下をきたす予後不良な疾患の総称である。肺動脈の過度な収縮や肺動脈壁の過剰な肥厚が成因である肺動脈性肺高血圧症(pulmonary artery hypertension:PAH)(第1群),器質化血栓が成因である慢性血栓塞栓性肺高血圧症(chronic thromboembolic pulmonary hypertension:CTEPH)(第4群)に対する肺血管拡張薬を用いた薬物治療は特に重要である。肺高血圧症治療薬の進歩は著しく,上記疾患患者の長期予後は劇的に改善した。本稿では,現在わが国で使用可能な肺血管拡張薬を整理し,3系統薬剤(プロスタグランジン製剤,エンドセリン受容体拮抗薬,ホスホジエステラーゼ (PDE)5阻害薬または可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激薬)の作用機序から,それぞれの成因に対する効果的な投薬方法,また留意すべき副作用などを解説する。
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