特集 透析患者の心臓病のすべて―インターベンションを中心に
3.冠動脈疾患におけるPCIの適応と透析患者でのエビデンス
辻坂 勇太
1
,
塩見 紘樹
1
1京都大学医学部附属病院循環器内科
キーワード:
経皮的冠動脈インターベンション
,
ISCHEMIA試験
,
CREDO-Kyoto
,
冠動脈石灰化
Keyword:
経皮的冠動脈インターベンション
,
ISCHEMIA試験
,
CREDO-Kyoto
,
冠動脈石灰化
pp.667-673
発行日 2025年7月10日
Published Date 2025/7/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003454
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冠動脈疾患は透析患者での有病率が高く,緊急症例を含め多くの透析患者が冠動脈血行再建を経験する.大部分の急性冠症候群が即時に血行再建可能な経皮的冠動脈インターベンション(PCI)による治療が選択されるが,慢性冠症候群では近年の大規模ランダム化比較試験の結果を反映して,血行再建せずに薬物療法で経過観察する症例も増加している.血行再建適応例では薬剤溶出性ステントの進歩もあり冠動脈バイパス術(CABG)よりPCIが選択されることが多くなっているが,透析患者においてはどちらかの優位性を確立させるエビデンスはなく,併存疾患や全身状態,ステント拡張不良となる石灰化の有無などを総合的に判断し,治療方針を選択する必要がある.

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