特集 循環補助と呼吸補助 臨床で有効活用するためのポイント
治す10
重症呼吸不全に対するVV-ECMO の適応と管理
藤田 健亮
1
,
市場 晋吾
1
1日本医科大学付属病院外科系集中治療科
キーワード:
ECMO
,
VILI
,
P-SILI
,
肺保護
Keyword:
ECMO
,
VILI
,
P-SILI
,
肺保護
pp.360-366
発行日 2020年4月9日
Published Date 2020/4/9
DOI https://doi.org/10.18885/HV.0000000160
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VV-ECMO(veno-venous extracorporeal membrane oxygenation)は,従来の人工呼吸器管理に加え,腹臥療法やNO 吸入,HFOV(high-frequency oscillatory ventilation)などの補助治療を行ってもなお持続する,低酸素血症または高二酸化炭素血症に対する究極の呼吸代替療法である。急性期疾患の回復までの代替療法としてのVV-ECMO(bridge to recovery:BTR),慢性呼吸器疾患の移植待機患者に対する代替療法としてのVV-ECMO(bridge to transplantation:BTT),またときには,診断に難渋する患者に対してdecision making を行うまでの代替療法としてのVV-ECMO(bridge todecision:BTD)など,代替療法としてのVV-ECMO の役割は多岐にわたる。ここでは特に,読者らが日ごろからかかわっている(かかわっていく)であろうBTR としてのVV-ECMO について述べる。また,ECMO の適応を考えるうえで必要な,重症呼吸不全と人工呼吸器関連肺障害,また近年注目されている自発呼吸関連の肺障害についても触れ,最新のエビデンスを交えて,VV-ECMO の現状と今後の可能性について紹介する。
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