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連載 人工臓器の最前線・vol.6
呼吸不全に対する膜型人工肺(VV-ECMO)
-――withコロナの時代に向けて
Veno-venous extracorporeal membrane oxygenation(VV-ECMO)for acute respiratory failure
星野 あつみ
1
,
市場 晋吾
1,2
Atsumi HOSHINO
1
,
Shingo ICHIBA
1,2
1東京女子医科大学集中治療科
2同臨床工学科
キーワード:
ARDS
,
重症呼吸不全
,
ECMO
,
体外式模型人工肺
Keyword:
ARDS
,
重症呼吸不全
,
ECMO
,
体外式模型人工肺
pp.1023-1030
発行日 2022年9月10日
Published Date 2022/9/10
DOI https://doi.org/10.32118/ayu282111023
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□重症の呼吸循環不全に対し,血液ポンプと膜型人工肺からなる体外循環装置を使って呼吸循環のサポートを行うのがextracorporeal membrane oxygenation(ECMO)である.新生児呼吸不全では1980年台からECMOが標準的治療となっていたのに対し,成人呼吸不全に対して本格的に使われるようになったのは2009年のH1N1インフルエンザの世界的大流行以降であった.ECMO自体は肺を治すものではないが,原疾患の診断と治療を行って肺が回復するまでの時間を稼ぐことができ,かつ機械的人工呼吸による肺傷害を防ぐことができる.VV-ECMOの適応は「従来の人工呼吸管理では生命が維持できない可逆的な重症呼吸不全」とされるが,高額かつ専門チームを要する治療であり,適応に迷う症例も多い.ECMO管理を安全に行うには,専門的な知識と多職種からなるチームが必要で,患者をECMOセンターに集約することが望ましい.本稿では,重症呼吸不全に対するECM治療の最新の包括的総説を行う.
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