特集 循環補助と呼吸補助 臨床で有効活用するためのポイント
治す9
開胸を要する急性期補助循環(central ECMO や体外設置型VAD)の使用はどのような場合に必要ですか?
肥後 太基
1
1九州大学大学院医学研究院循環器内科学
キーワード:
急性循環不全
,
補助循環
,
膜型人工肺
,
体外設置型補助人工心臓
Keyword:
急性循環不全
,
補助循環
,
膜型人工肺
,
体外設置型補助人工心臓
pp.354-359
発行日 2020年4月9日
Published Date 2020/4/9
DOI https://doi.org/10.18885/HV.0000000159
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わが国では,静注強心薬に抵抗性の急性心原性ショックや慢性心不全急性増悪などの循環不全症例に対する治療手段として,経皮的な補助循環装置である大動脈内バルーンポンプ(intra-aortic balloon pump:IABP)や経皮的心肺補助装置(veno-arterial extracorporeal membrane oxygenation:VA-ECMO もしくはpercutaneous cardio pulmonary support:PCPS)が広く使用されている。さらに近年では経皮的補助人工心臓とも称される循環補助用心内留置型ポンプカテーテル(Impella®)の普及もあり,重症心不全症例に対するこれらの補助循環は,多くの救急医や循環器内科医にとってその適応や,導入手技,さらには適切な管理方法について十分に習熟しておくべき治療手段となりつつある。しかしながら,実際にはこれらの補助循環を導入された患者の予後は決して良好とはいえない。これらの患者の予後の改善のためには,経皮的な補助循環装置による管理の質の改善を図るとともに,これらの治療の限界について見極め,必要に応じて,より適切な開胸を要する循環補助治療へのエスカレーションについても考慮することが重要である。
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