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7cm以下(cT1相当)の充実性腎腫瘤108病変(すべて組織学的に診断)を対象に『MRI clear cell likelihood score(ccLS)ver 2.0』アルゴリズムに従い3人の放射線科医が5段階スコア(1:very unlikely,2:unlikely,3:intermediate likelihood,4:likely,5:very likely)を付け,スコアに対応した候補診断から疾患を決定した。強い出血性変化や高齢による腎皮質の萎縮などで9%にアルゴリズムに沿った厳密な判定ができなかった。ccLSスコア4以上をclear cell RCC(ccRCC)と診断した場合,T1a,T1b病変の感度・特度・正診率は各々85%,82%,83%および82%,100%,92%であった。ccLS 1以下をpapillary RCC(pRCC)と診断した場合,感度・特度・正診率は68%,98%,90%であった。receiver operating characteristic(ROC)解析によるarea under receiver operating characteristic(AUC)はT1a ccRCC 0.84~0.90,T1a pRCC 0.93~0.95であった。ccLS4以上をccRCC,ccLS1をpRCCとすると高い診断能と観察者間一致率が得られた。chromophobe RCC,oncocytoma,fat poor AMLでは感度が比較的低く,特異度が高かった。観察者間一致率は,ccLS 4以上が0.86,ccLS 1が0.76,ccLS全体では0.65であった。T1a ccRCCとpRCCの一致度は0.61,0.75であった。ccLSは,MRIによる充実性腎腫瘤のccRCC診断の標準化されたアプローチとなりうる。
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