特集 臨床MRIを基礎から知る−さまざまな角度からMRIの魅力に迫る−
[頭部領域]
血管奇形
前田 正幸
1
1三重大学大学院医学系研究科 地域支援神経放射線診断学講座
キーワード:
磁化率強調像(susceptibility–weighted imaging;SWI)
,
血管奇形(vascular malformations)
,
dynamic画像(dynamic imaging)
Keyword:
磁化率強調像(susceptibility–weighted imaging;SWI)
,
血管奇形(vascular malformations)
,
dynamic画像(dynamic imaging)
pp.46-51
発行日 2023年4月30日
Published Date 2023/4/30
DOI https://doi.org/10.18885/CI.0000001255
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▶ 血管奇形のうち静脈性奇形である静脈奇形(developmental venous anomaly;DVA),海綿状血管奇形(cavernous malformation;CM),海綿静脈洞血管腫(cavernous sinus hemangioma;CSH)はslow flowである。また,通常のT1強調像,T2強調像,FLAIR像ではその存在や血管奇形としての特徴を指摘することが困難なことがしばしばある。
▶ デオキシヘモグロビン濃度が高い静脈を低信号化する磁化率強調像(susceptibility–weighted imaging;SWI)は,特にDVAの検出に有用な撮影法である。
▶ 脳のCMの検出にT2*強調像や磁化率強調像が有用である。一方,脊髄のCMの検出に磁化率強調像を使用することはまれで,T2*強調像が有用である。
▶ CSHは海綿静脈洞の硬膜に好発する血管奇形である。この診断のためにはdynamic造影T1強調像が有用である。辺縁から徐々に染まりあがる“filling in”の所見は肝の血管腫と同様で,診断的価値が高い(Fig.3)。CSHのサイズが大きい場合には,完全に染まるのにかなりの時間を要する。従って,サイズに応じて多めに相の撮影をするのがよい。
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