特集2 主治医が求める読影レポートの書き方
胸部領域に求められるレポートの書き方−乳房MRI−
後藤 眞理子
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科 放射線診断治療学
pp.128-133
発行日 2021年1月26日
Published Date 2021/1/26
DOI https://doi.org/10.18885/CI.0000000535
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乳房MRIの読影レポート作成は,ACR(American College of Radiology)が発刊しているBI–RADS(Breast Imaging Reporting and Data System)MRIを用いたstructured report(構造化レポート)が推奨されている。BI–RADSは乳房画像の所見用語などの標準化と精度管理を目的に,1993年マンモグラフィのガイドラインとして発刊された。2003年発刊の第4版からは,マンモグラフィだけでなく超音波・MRIを含めた乳房画像診断の総合的なガイドラインとなり,現在の最新版は2013年に刊行された第5版である。RADSシリーズのなかでは最も歴史が古く,乳房画像の標準的評価方法として認められ,国際的な普及に成功しているといってよい。なお第5版の日本語翻訳版が2016年7月に『ACR BI‒RADSアトラス』として刊行されている。しかし実臨床での乳房MRIレポートはBI–RADSでは事足りないことが多い。例えばレポート例に挙げたように,日本では乳房MRIが乳癌確定症例の「広がり診断」目的に依頼されることが多い。このような場合は,乳癌治療方針や手術術式を念頭におき,乳房MRIから得られる必要な情報が主治医に的確に伝わるよう,レポートを作成する必要がある。
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