Japanese
English
経験と考察
低緊張下で縫合を行った鏡視下腱板縫合術の治療成績
Treatment results of arthroscopic rotator cuff repair performed under low repair tension
山内 直人
1
,
中田 幸夫
1
,
柴田 定
1
,
大川 匡
1
,
堺 慎
1
,
高橋 都香
1
,
三浦 宗也
1
N. Yamauchi
1
,
Y. Nakata
1
,
S. Shibata
1
,
T. Okawa
1
,
M. Sakai
1
,
S. Takahashi
1
,
S. Miura
1
1勤医協中央病院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Kin-Ikyo Central Hospital, Sapporo
キーワード:
arthroscopic rotator cuff repair
,
low repair tension
,
rotator cuff tear
Keyword:
arthroscopic rotator cuff repair
,
low repair tension
,
rotator cuff tear
pp.205-209
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei76_205
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は じ め に
肩腱板断裂に対する治療として鏡視下腱板縫合術が広く行われている.術後合併症として頻度が多い腱板再断裂を減らすために,縫合法の改良や補強材の使用,装具の使用,後療法の工夫などが試みられている.
腱板断裂を生じると腱板断端の損傷や変性,近位側への退縮が加わり,腱の長さは短くなる傾向がある.術中に腱板の剥離を行い,肩を外転位とすることで腱板断端は外側に引き出しやすくなり,中断裂以下では元のフットプリントに縫合できることが多い.しかし,肩外転位で腱板縫合を行うと術後に肩を下垂させた際,縫合部の緊張は術中よりも高くなることが想定される.縫合部の高い緊張は腱の修復に悪影響を生じ,再断裂を誘発すると考えられる.
そこで本研究では,肩下垂位で腱板縫合部が低緊張となるようにデザインした鏡視下腱板縫合術が,再断裂を減らすことができるか否かに関して評価を行った.
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