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変形性膝関節症患者における歩行中に生じる内側半月板の逸脱パターンと四肢運動学の関連
Unique patterns of medial meniscus extrusion during walking and its association with limb kinematics in patients with knee osteoarthritis
石井 陽介
1
Y. Ishii
1
1広島大学大学院生体運動・動作解析学
1Dept. of Biomechanics, Graduate School of Biomedical and Health Science, Hiroshima University, Hiroshima
キーワード:
meniscus extrusion
,
dynamic ultrasound
,
gait kinematics
Keyword:
meniscus extrusion
,
dynamic ultrasound
,
gait kinematics
pp.170-173
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei76_170
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【要 旨】
目 的:内側半月板の逸脱(MME)は,歩行中の力学負荷で増悪し,変形性膝関節症(KOA)患者で多彩なパターン(動態)が確認されている.本研究の目的は,歩行中のMMEの動態に基づいて,MMEの増悪と膝運動学・運動力学の関連性を調査することである.
対象および方法:KOA患者55例と健常高齢者10例が研究に参加した.歩行中のMMEと運動学・運動力学データは,超音波検査装置と動作解析システムで同時に取得された.歩行中のMME波形を作成し,立脚相のMME動態特徴を反映する逸脱時間を決定した.KOA患者は健常高齢者の逸脱時間を基準に各群に分類され,MMEの増悪量と運動学・運動力学の関連を評価した.
結 果:KOA患者は3群に分類された(前期群,正常群,後期群).前期・正常群のMMEの増悪量は,膝内反モーメントやvarus thrustと有意に相関した.一方で後期群では,膝屈曲モーメントと相関した.
結 論:MMEは多彩な歩行中の力学負荷によって増悪し,動態解析はKOA患者の詳細な力学病態解明に貢献する可能性がある.
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