Japanese
English
論説
上腕骨近位端骨折に対する骨折用ステムを用いた人工骨頭置換術の術後成績
-――リバース型人工肩関節との比較
Post-operative results of hemiarthroplasty with a fracture stem for proximal humeral fractures:comparative study with those of reverse shoulder arthroplasty
加藤 壮紀
1
,
舟﨑 裕記
1
,
田中 康太
1
,
吉田 衛
1
,
戸野塚 久紘
1
,
斎藤 充
1
S. Kato
1
,
H. Funasaki
1
,
K. Tanaka
1
,
M. Yoshida
1
,
H. Tonotsuka
1
,
M. Saito
1
1東京慈恵会医科大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., The Jikei University School of Medicine, Tokyo
キーワード:
proximal humeral fracture
,
hemiarthroplasty
,
reverse shoulder arthroplasty
,
aequalis fracture stem
Keyword:
proximal humeral fracture
,
hemiarthroplasty
,
reverse shoulder arthroplasty
,
aequalis fracture stem
pp.201-204
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei75_201
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は じ め に
上腕骨近位端骨折(PHF)は全骨折の4~5%1)を占め,骨粗鬆症に関連した骨折では3番目に多く,高齢者においてはもっとも多いとされている2).その中で骨頭壊死が危惧される3 partまたは4 part骨折に対しては,一般的に人工骨頭置換術(HA)が選択されてきた3).しかしHAの術後成績は,結節の修復,骨頭高位や後捻角などの問題により,必ずしも良好であるとはいいがたかった4~10).2014年から本邦に導入されたリバース型人工肩関節置換術(RSA)はHAに比べて,疼痛や機能改善,早期のリハビリテーションの開始が可能などの利点が報告され9,11),本骨折に対するRSAの適応は拡大している12).一方,RSAの合併症が比較的多いことも報告されている13,14).
エクリスフラクチャー(日本ストライカー社)は2017年から本邦でも使用可能となった骨折用の人工骨頭であり,ステム近位部に骨移植が可能である特徴を有する.本邦導入以前において,従来のステムに比べて良好な結節の修復と術後成績が報告されているが15),体格が小さな日本人に対する本HAの術後成績,さらにRSAと比較した報告はない.本研究の目的はPHFに対してエクリスフラクチャーを用いたHAの術後成績を調査し,RSAと比較・検討することである.
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