骨粗鬆症性椎体骨折に対する超早期balloon kyphoplastyは続発性骨折発生のリスクを低下させる可能性がある

Early intervention by balloon kyphoplasty may reduce secondary fracture in patients with osteoporotic vertebral fracture

は じ め に

　骨粗鬆症性椎体骨折（osteoporotic vertebral fracture：OVF）受傷早期のMRI T2強調画像において，低輝度広範型と高輝度限局型の骨折は受傷後早期に圧潰しやすく，偽関節リスクも高いため，積極的な外科的治療を推奨する報告がある^1,2）．OVFに対するballoon kyphoplasty（BKP）は，低侵襲でありながら優れた除痛効果と早期に日常生活動作（ADL）の改善が得られる有用な治療法である．一方で，BKP後に椎体骨折が発生する術後続発性骨折（subsequent vertebral fracture：SVF）という合併症が問題となる．BKPの適切な施行時期に関しては一定の見解が得られておらず，またSVFと施行時期との関連も十分に検討されていない．

　そこでわれわれは，OVFに対するBKP例を後ろ向きに検討し，BKPの施行時期とSVF発生頻度の関連を検討した．なお，本研究は個人が特定される可能性がない後ろ向き研究ではあるが，倫理的配慮のもとに行った．