Japanese
English
経験と考察
超高齢者大腿骨転子部骨折に対する早期手術の有用性と早期手術ができなかった理由
Usefulness of early surgery for femoral trochanteric fracture in patients over 90 years old and causes of surgical delay
須藤 祥人
1
,
高津 哲郎
1
,
酒井 康臣
2
,
中島 浩敦
3
Y. Sudo
1
,
T. Takatsu
1
,
Y. Sakai
2
,
H. Nakashima
3
1多治見病院整形外科
2一宮整形外科
3後藤整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Gifu Prefectural Tajimi Hospital, Tajimi
キーワード:
femoral trochanteric fracture
,
extremely elderly
,
timing of surgery
Keyword:
femoral trochanteric fracture
,
extremely elderly
,
timing of surgery
pp.758-761
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_758
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
は じ め に
高齢者大腿骨近位部骨折に対しては,できる限り早期手術が推奨され1),欧米のガイドラインでも24~48時間以内の早期手術が推奨されている2,3).Hapuarachchiら4)は,90歳以上の大腿骨頚部骨折骨接合例を検討し,48時間以内の手術では死亡率は有意に低かったと述べた.しかし,Ishidaら5)は,90歳以上の大腿骨近位部骨折を検討し,手術の時期と生存には相関はないと報告しており,90歳以上の大腿骨近位部骨折の手術の時期と有用性の関係については,いまだ議論のあるところである.
当院では大腿骨転子部骨折の全例に対して,24時間以内の骨接合術をめざしている.本研究の目的は,90歳以上の大腿骨転子部骨折において,早期手術が有用であるか否かを検討することである.また,90歳以上の大腿骨転子部骨折の早期手術(24時間以内)ができなかった症例を調査し,その要因を検討した.
© Nankodo Co., Ltd., 2021