喫茶ロビー
外科医のメスの捨て時,納め時(後編)
生田 義和
1
1元広島手の外科・微小外科研究所顧問
pp.938-938
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei74_938
- 有料閲覧
- 文献概要
メスを捨てるという言葉は,刀を捨てるという時代からその精神的な背景がずっと強く続いており,外科医としての日常をどうするかという生き方を表現しているのであろう.しかし,世話になったメスに,捨てるとはいいがたく,納めるとの言葉を選びたくなる.たぶんこの言葉も時雨音羽作詞,中山晋平作曲の「鉾をおさめて」を連想させ,藤原義江の美声を思い起こさせるし,また「刀を鞘に収める」場合には,また取り出せる可能性も残っている.しかし,神棚に納めるのは少し意味が異なり,再びここからは降ろしがたい.
© Nankodo Co., Ltd., 2023