書評
『骨転移診療ガイドライン(改訂第2版)』
平岡 弘二
1
1久留米大学整形外科教授
pp.904-904
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei74_904
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- 文献概要
がん治療は日々進歩を遂げ,生存率も向上してきている.結果として骨転移発生の可能性が高いがん腫では,その発生数が増加し治療全体へ与える影響が大きくなってくることが推測される.そのため早期からの骨転移治療への介入の重要性が認識されるようになってきており,多職種の連携が必要な骨転移治療においては,診療指針を示すガイドラインの役割はとても大きいと感じる.また,患者にとっても日常生活動作と生活の質(QOL)を取り戻すというアプローチを通して,より質の高いがん治療を受ける機会につながると思われる.本書は2015年3月にはじめて初版が発刊し,その後骨修飾薬の効果,整形外科的介入やリハビリテーションなどの医学的エビデンスの蓄積を経て7年ぶりの改訂となっている.しかし,まだまだ十分とはいえないエビデンスをまとめて本書を改訂された柴田浩行委員長をはじめとするワーキンググループの先生方および関係者の方々に心より敬意を表したい.
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