Japanese
English
経験と考察
生物学的製剤時代におけるリウマチ手に対する中手指節関節温存軟部組織形成術
Soft tissue metacarpophalangeal reconstruction for treatment of rheumatoid hand deformity
中山 政憲
1
,
清田 康弘
1
,
竹島 憲一郎
1
,
船尾 陽生
1
,
長島 正樹
1
,
江幡 重人
1
,
石井 賢
1
M. Nakayama
1
,
Y. Kiyota
1
,
K. Takeshima
1
,
H. Funao
1
,
M. Nagashima
1
,
S. Ebata
1
,
K. Ishii
1
1国際医療福祉大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., School of Medicine, International University of Health and Welfare(IUHW), Narita
キーワード:
rheumatoid hand
,
ulnar deviation
,
MP joint
,
soft tissue reconstruction
Keyword:
rheumatoid hand
,
ulnar deviation
,
MP joint
,
soft tissue reconstruction
pp.410-413
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei74_410
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は じ め に
関節リウマチ(RA)に対する薬物治療はこの30年で大きく発展した.具体的には生物学的製剤やJanus kinase (JAK)阻害薬といった有効性の高い新たな薬剤の開発,およびTight ControlとTreat to Target (T2T)といった治療戦略の確立により,RA患者のおよそ3/4は寛解または低疾患活動性を得られるようになった1).それに伴い,かつて主流であった大関節に対する手術は減少し,また小関節の手術は減少しているとはいえないが,より低侵襲の手術が求められるようになっている2).特に手指の手術については,関節構造が比較的保たれており,主に軟部組織の問題により関節機能が低下している症例には関節を温存できる軟部組織形成術が適応となるが,この術式の重みがかつてより増している.本稿では,われわれがこれまで行ってきた,人工関節を用いずに中手指節(MP)関節を温存しながら軟部組織の処置のみで尺側偏位を矯正する軟部組織形成術の治療成績をまとめ,その有効性と限界について検討した.
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