臨床医がつけるべき医師力

　「人間力」という言葉をよく耳にするが，内閣府はこれを「社会を構成し運営するとともに，自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力」と定義している．人間力を構成する5つの要素はコミュニケーションスキル，セルフコントロールスキル，インテリジェンス，包容力，耐える力である．その詳細をみてみると，周囲の人々と意思を円滑に疎通するためのコミュニケーションスキル，目標を設定し実現をめざして自分をコントロールし努力する・他人と衝突しないよう円滑に関係性を保つための感情をコントロールするためのセルフコントロールスキル，生きていくための知識の習得とそれを活用することができるインテリジェンス，他人の意見を尊重し自らも含めフラットな状況で物事をみることができる包容力，思いどおりにならないことを自己鍛錬の機会であるとポジティブにとらえることができる耐える力とされている．ふと，自分の人間力がどんなものかと五角形の図にして考えてみても，まだまだいずれの要素も精進が必要であることはいうまでもないが，医師である前に社会人として人間力を上昇させる姿勢は忘れないように心がけるべきであろう．