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連載 卒後研修講座
がん治療における運動器障害マネジメント
-――がん患者のbone healthを考える
Bone health management in cancer patients
五木田 茶舞
1
,
小柳 広高
1
,
辻野 昭平
1
T. Gokita
1
,
H. Koyanagi
1
,
S. Tsujino
1
1埼玉県立がんセンター整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Saitama Prefectural Cancer Center, Saitama
キーワード:
cancer
,
bone health
Keyword:
cancer
,
bone health
pp.159-167
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei74_159
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は じ め に
日本整形外科学会は,運動器の障害により移動機能の低下した状態を表す言葉として「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」を提唱した1).特にがん患者におけるロコモティブシンドロームを「がんロコモ」と呼び,三つに分類している(図1).運動器の専門科であるすべての整形外科医が「がんロコモ」に関心をもってもらうため,啓発活動が盛んに行われている.がんの治療においては,手術的治療,放射線治療,がん薬物療法を組み合わせた「集学的治療」と各領域のガイドラインに基づく「標準治療」の提供が求められている.がんロコモ対策には “がん治療” そのものが含まれるため,がん治療の基本的知識や標準治療の理解のもとで,個々の整形外科医が担うことのできる診療を知ることは重要である.本稿ではがん患者における運動器障害のうち,骨転移やがん治療関連骨減少症など骨の健康(bone health)に影響を与える病態を取り上げ,そのマネジメントを考える機会としたい.
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