Japanese
English
論説
軸椎と第1腰椎のCT値は新たな骨粗鬆症スクリーニングツールとなりうるか
Assessment of the Hounsfield units in axis and the first lumbar spine as a new screening tool for osteoporosis
平田 健悟
1
,
森本 忠嗣
1
,
平田 寛人
1
,
小林 孝巨
1
,
吉原 智仁
1
,
塚本 正紹
1
,
馬渡 正明
1
K. Hirata
1
,
T. Morimoto
1
,
H. Hirata
1
,
T. Kobayashi
1
,
T. Yoshihara
1
,
M. Tsukamoto
1
,
M. Mawatari
1
1佐賀大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Faculty of Medicine, Saga University, Saga
キーワード:
osteoporosis
,
CT
,
sarcopenia
,
axis
,
lumbar vertebra
Keyword:
osteoporosis
,
CT
,
sarcopenia
,
axis
,
lumbar vertebra
pp.1243-1247
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei74_1243
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は じ め に
本邦では,高齢化に伴い骨粗鬆症患者が年々増加している1).骨粗鬆症は脊椎の脆弱性骨折の原因であり,早期の診断と治療が重要である1).骨粗鬆症の診断は二重エネルギーX線吸収法(dual energy X-ray absorptio-metry:DXA)がゴールドスタンダードである2).しかし,DXAが行われていない患者も多く3),近年,腹部CT値からの骨密度(bone mineral density:BMD)の予測が注目されている4,5).Leeら3)は,L1椎体の軸状断のCT値と腰椎海綿骨のBMDの関連から,腹部CTで得られたL1椎体の軸状断のCT値が脆弱性骨折のハイリスク患者を検出することに有用である可能性を報告している.そこでわれわれは,胸腹部CTの撮影範囲に含まれるL1に加えて,頭部CTの撮影範囲に含まれ,脆弱性骨折が多い軸椎のCT値で骨粗鬆症の予測ができれば,スクリーニングの観点から有用であると考えた.
本研究の目的は,軸椎とL1のCT値と骨粗鬆症の関係を明らかにすることである.
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