Japanese
English
経験と考察
骨盤照射後の骨壊死・脆弱性骨折の治療経験
Experience of treatment for osteonecrosis and insufficiency fracture after pelvic irradiation
増井 文昭
1
F. Masui
1
1千葉西総合病院整形外科・関節外科センター
1Dept. of Orthop. Surg. and Joint Reconstruction Center, Chibanishi General Hospital, Matsudo
キーワード:
pelvis
,
irradiation
,
osteonecrosis
,
insufficiency fracture
,
hyperbaric oxygen therapy
Keyword:
pelvis
,
irradiation
,
osteonecrosis
,
insufficiency fracture
,
hyperbaric oxygen therapy
pp.107-113
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei74_107
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は じ め に
がん治療の進歩により骨転移を有する患者でも長期生存が可能となってきている.がん骨転移・病的骨折患者は高齢者に多く,さまざまな合併症があり,近年,生活の質(QOL)や死の質(QOD)を上げるために積極的な治療が行われるようになってきた.もっとも重要なことは予後を評価したうえで専門分野や得意分野を活かした治療(手術,全身治療,放射線照射など)を行い,余命期間のロコモティブシンドロームを回避することである.骨盤内発生の悪性腫瘍や転移に対して放射線照射が行われることがある.整形外科領域では,骨形成細胞・血管内皮細胞への直接障害による骨壊死・脆弱性骨折といった晩期合併症が問題になる.本稿では,骨盤照射後に骨壊死・脆弱性骨折をきたした4例を経験したので,治療上の問題点および留意点を報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2023