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Tanezumab
二階堂 琢也
1
1福島県立医科大学整形外科准教授
pp.866-866
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei73_866
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神経成長因子(nerve growth factor:NGF)は神経伸長の要素として重要な化学伝達物質であり,tropomyosin receptor kinase A(TrkA)を活性化し,熱刺激や機械刺激,化学刺激などによる侵害受容器の感作を起こすことによって疼痛惹起に深く関わっていることが報告されている1~3).変形性関節症(OA)患者では炎症性サイトカインの影響により,軟骨細胞や滑膜細胞がNGFを産生する4).NGFは関節内組織への神経伸長をうながし,痛みに対する感受性を亢進する結果,痛みが増強する1~3,5).また,NGFには椎間板内への神経発芽を誘導する働きがあり,慢性椎間板性腰痛の原因の一つと考えられている椎間板内への神経発芽の誘導に関与している6,7).
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