誌説
災害医療への整形外科医の関わり
竹葉 淳
1
1愛媛大学救急航空医療学講座教授
pp.732-732
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei73_732
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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)蔓延という「災害」が発生して2年が経過しました.本稿執筆時は全国的に「第6波」の大きな波におそわれています.COVID-19患者対応のために,予定手術の制限,病棟の閉鎖や改編,救急受け入れ制限が行われ,さらには外来患者数の減少,長期間の感染対策の継続,感染者や濃厚接触者として出勤停止となって生じたスタッフ不足への対応という幾重もの苦難を伴いながら,災害医療対応が長期間続けられています.私は大学病院でCOVID-19重症患者の集中治療の役を担っておりますが,この「災害」への対応で難しいのは,終わりが見通せない点,各波でみせるコロナの顔が少しずつ違っているために前の波での経験がそのまますべては生かせない点,疾患特異性のために医療従事者間でも「災害」に対する意識の差が生じ,「災害医療」と「一般診療」のバランスの落としどころが難しい点にあると感じています.
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