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特集 整形外科画像診断・評価の進歩
Ⅳ.エコー
10.悪性軟部腫瘍切除術における術中超音波ガイド下手術の有用性
Usefulness of intraoperative ultrasonography-guided malignant soft tissue tumor excision
武内 章彦
1
,
土屋 弘行
1
A. Takeuchi
1
,
H. Tsuchiya
1
1金沢大学大学院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Graduate School of Medical Science, Kanazawa University, Kanazawa
キーワード:
soft tissue sarcoma
,
surgery
,
ultrasonograpy
Keyword:
soft tissue sarcoma
,
surgery
,
ultrasonograpy
pp.674-679
発行日 2022年5月25日
Published Date 2022/5/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei73_674
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は じ め に
近年,超音波診断装置(エコー)の進歩により,分解能が高くアーチファクトの少ない鮮明な画像が得られるようになり1,2),骨・軟部腫瘍の診療における有用性も高まっており,軟部腫瘍の良悪性の鑑別3)や針生検の際のガイド3)としての有用性4),小さな再発腫瘍の同定5)などが報告されている.われわれは,手術の際に腫瘍の局在や神経血管などの重要臓器を同定するガイドとしてエコーを活用している6).悪性軟部腫瘍では,適切な切除縁で腫瘍を切除することが重要であり,MRIなどの画像から腫瘍の局在,周囲組織(筋肉や血管,神経など)との関係を把握し,具体的な切除範囲を計画する7)が,その計画に沿って手術をすすめることが重要である.実際の手術の際には,皮膚や筋肉を介して腫瘍の辺縁を触知しながら皮膚,皮下脂肪織,筋膜,筋肉などの周囲組織で腫瘍を包むようにして腫瘍を露出させないようにして切除を行う,いわゆる触診を中心とした手術が一般的である8).しかし,小さい腫瘍や境界が不明瞭な腫瘍では,術中に腫瘍の局在を正確に把握するのが困難で,術前計画どおりに手術をすすめるのに難渋する場合もある.本稿では,悪性軟部腫瘍切除術におけるエコーガイド下手術の有用性について紹介する.
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