学会を聞く
第48回日本人工関節学会
山門 浩太郎
1
K. Yamakado
1
1福井総合病院スポーツ整形外科
1Department of Orthopaedics/Sports Medicine Fukui General Hospital, Fukui
pp.881-883
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei69_881
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1.は じ め に
48回目を迎える日本人工関節学会は,高井信朗会長(日本医科大学教授)のもと,2018年2月23日(金)~24日(土)に東京国際フォーラムで開催された.「船」をモチーフに旧東京都庁舎の跡地に建設された同施設は東京の代表的な国際コンベンションセンターの一つであり,5つのホール棟と地下展示ホールにくわえ,レストランや相田みつを美術館などを備える巨大な建築物である.2018年度の本学会では三つのホール棟と対面に位置するガラス棟および駅コンコースから見下ろすことのできる地下展示ホールが使用された(図1).
本学会のテーマは「進歩と調和 “Progress and Harmony”」であった.これは,1970年に開催された大阪万博のテーマである「人類の進歩と調和」を念頭にされたとのことである.高度経済成長を成し遂げ,米国に次ぐ経済大国となった万博当時の社会状況下における未来社会への期待と公害問題など産業の急発展にともなう諸問題,当時の日本の抱えた矛盾と解決を,人工関節置換術の実施件数がこの10年間において急増しつつある現状に投影したものと聞き及ぶ.実際,肩,肘,手,股,膝,足と多岐にわたる関節のキネマティクスなど工業製品としての人工関節の基礎的なテーマから,患者の日常生活動作(ADL)や満足度の検証といった臨床的なトピックまで幅広くプログラムが設定された2日間であった.
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