橈骨遠位端骨折における掌側舟状骨窩骨片の特徴

Characteristics of volar scaphoid facet fragments associated with distal radius fractures

は じ め に

　橈骨遠位端骨折に対する掌側ロッキングプレート（palmar locking plate：PLP）固定後に掌側月状骨窩（voral lunate facet：VLF）骨片の転位に起因する手根骨脱臼が報告され^1），VLF骨片を有する橈骨遠位端関節縁骨折は難治性骨折として注目されている^2）．また，近年ではPLP固定後に掌側舟状骨窩（volar scaphoid facet：VSF）骨片の転位に伴い，舟状骨が亜脱臼した症例も散見されている^3,4）．

　本研究では，観血的整復内固定（open reduction and internal fixation：ORIF）を施行した橈骨遠位端骨折症例を対象に，VSF骨片の特徴を調査したので報告する．