橈骨遠位端骨巨細胞腫に対する血管柄付き腓骨移植を用いた関節固定術の長期成績

Wrist arthrodesis using vascularized fibula graft for giant cell tumor of bone in the distal end of the radius

は じ め に

　骨巨細胞腫は全骨腫瘍の5％を占め，骨軟骨腫，内軟骨腫の次に発生頻度が高い．発生部位では大腿骨遠位，脛骨近位に続き橈骨遠位端が3番目に多く，約10％を占め，橈骨発生の骨腫瘍のなかでもっとも多い^1,2）．橈骨遠位端発生の骨巨細胞腫は，ほかの部位より腫瘍の浸潤性が高く再発も多く，局所根治のためには掻爬より切除が推奨されている^3,4）．一方，橈骨遠位端の切除により関節温存が困難となり，再建術に伴う機能障害が問題となる^5,6）．再建術には，関節形成術や関節固定術が主に用いられている^7～9）．本研究では，橈骨遠位骨端に発生した骨巨細胞腫に対して，腫瘍切除後に遊離血管柄付き腓骨移植を用いて関節固定術を行った4例の患肢機能を評価し，治療の有用性を検討した．