Japanese
English
連載 革新的技術がもたらす小児運動器難病の新展開――基礎から臨床へ
側弯症の臨床
-――成長期の側弯症
Etiology and pathogenesis of adolescent idiopathic scoliosis, and its future treatment
渡辺 航太
1
K. Watanabe
1
1慶應義塾大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Keio University, School of Medicine, Tokyo
キーワード:
adolescent idiopathic scoliosis
,
genome wide association study
,
vertebral body tethering
Keyword:
adolescent idiopathic scoliosis
,
genome wide association study
,
vertebral body tethering
pp.883-886
発行日 2021年7月1日
Published Date 2021/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_883
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は じ め に
脊柱側弯症とは,脊柱が側方だけでなく後方や前方に捻じれるように変形していく疾患である.さまざまな病因による側弯が報告されている.そのなかで,思春期に発症する変形の原因が不明な側弯症[思春期特発性側弯症(adolescent idiopathic scoliosis:AIS)]が70~90%と最多である.通常,AISは第二次性徴前後で発症し,身体の成長とともに変形が進行する.X線による指標であるCobb角が20°を超える中等症例に対しては,装具治療が行われる.さらにCobb角40°~50°を超える重症例に進行した場合は,手術による高侵襲な治療が必要になる.手術例では脊柱がインプラントで矯正されるが,本来は可撓性のある脊柱の機能が犠牲になる.理想的な治療とは,AISの発症や進行の原因に対する治療,そして重症例に対しては正常に近い脊柱を再獲得するための手術である.
© Nankodo Co., Ltd., 2021