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Matrix metalloproteinase-13(MMP-13)
小川 寛恭
1
1大垣徳洲会病院整形外科/関節疾患・人工関節センター
pp.882-882
発行日 2021年7月1日
Published Date 2021/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_882
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Matrix metalloproteinases(MMPs)は亜鉛結合型酵素活性ドメインを有するプロテアーゼファミリーで1),細胞分裂,細胞分化,細胞移行,血管新生,アポトーシスなどの過程で細胞外マトリックスを分解する役割を担っている.変形性関節症(OA),関節リウマチ,悪性腫瘍などの疾患ではMMPsが異常発現し組織破壊に関与していることが知られている.MMPsはその活性ドメイン構造や分解基質によってコラゲナーゼ,ゲラチナーゼ,ストロメリシン,マトリリシンの四つのグループに分けられ,コラゲナーゼにはMMP-1,-2,-8,-13,-14が含まれる.コラゲナーゼのなかでも,MMP-13は2型コラーゲンに親和性が高くそれを特異的に分解するコラゲナーゼ-3であり,胎生期の成長板軟骨や一次骨化中心で発現し骨格形成では必要不可欠な役割を果たしている2).Mmp-13ノックアウトマウスの胎児は,Mmp-13欠損のため成長板の肥大軟骨細胞層での軟骨基質の分解低下による成長板の延長,アポトーシスや血管進入の低下,一次骨化中心遅延など骨格形成でさまざまな異常を認める.ヒトにおけるMMP13遺伝子欠損は軟骨異形成の一つthe Missouri variant of spondyloepimetaphyseal dysplasiaとの関連が報告されている3).
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