Japanese
English
連載 最新原著レビュー
骨性指標法により正確な骨孔を作製しえた解剖学的長方形骨孔
-――膝蓋腱前十字靱帯再建術の成績
Anatomical rectangular tunnels identified with the arthroscopic landmarks result in excellent outcomes in ACL reconstruction with a BTB graft
橘 優太
1
,
史野 根生
2
Y. Tachibana
1
,
K. Shino
2
1大阪労災病院整形外科
2行岡病院スポーツ整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Osaka Rosai Hospital, Sakai
キーワード:
anatomic ACL reconstruction
,
rectangular tunnel
,
bone-patellar tendon-bone graft
,
tunnel location
,
bony landmark strategy
,
clinical outcomes
Keyword:
anatomic ACL reconstruction
,
rectangular tunnel
,
bone-patellar tendon-bone graft
,
tunnel location
,
bony landmark strategy
,
clinical outcomes
pp.493-496
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_493
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
【要 旨】
目 的:骨付き膝蓋腱を用いた解剖学的長方形骨孔前十字靱帯(ACL)再建術における,骨孔位置および臨床成績を明らかにすることである.
対象および方法:初回受傷の片側ACL損傷61例を対象とした.関節鏡視下にACL遺残組織を慎重に郭清し,骨性指標を同定したうえでACL付着部内に骨孔を作製した.これらの症例に対して術後3週で三次元CT撮影を行い,作製された骨孔の関節内開口部が解剖学的付着部内に存在している比率を算出した.また,術後2年の臨床成績を評価した.
結 果:三次元CT評価においては,全例で大腿骨側骨孔は解剖学的付着部内に作製されていた.脛骨側骨孔では,少なくとも75%以上の領域が解剖学的付着部内に作製されていた.International Knee Documentation Committeeの主観的評価では,全例が「正常」または「ほぼ正常」であった.Lachmanテストでは98%が陰性,pivot shiftテストでは95%が陰性であった.KT-1000 Knee Arthrometerによる徒手最大前方荷重下での膝前方移動量の患健側差は0.2±0.9mmであり,95%の症例で−1~+2mmの範囲内に入っていた.
結 論:関節鏡視下に骨性指標を同定することで,安定して解剖学的付着部内に骨孔を作製可能であり,95%以上の症例で主観的および客観的に良好な臨床成績が得られた.
© Nankodo Co., Ltd., 2021