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特集 変形性関節症の診断と治療――保存的治療から再生医療まで
Ⅶ章.変形性膝関節症
1.縦断的疫学研究からみた早期変形性膝関節症の発症・進行の危険因子
Longitudinal cohort study for incidence and progression of early knee osteoarthritis
佐々木 英嗣
1
E. Sasaki
1
1弘前大学大学院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Hirosaki University Graduate School of Medicine, Hirosaki
キーワード:
early knee OA
,
longitudinal cohort study
,
risk factor
Keyword:
early knee OA
,
longitudinal cohort study
,
risk factor
pp.649-653
発行日 2023年5月25日
Published Date 2023/5/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei74_649
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は じ め に
変形性膝関節症(膝OA)は中高年女性に好発する退行性疾患であり,軽度の炎症反応を伴いながら緩徐に関節変性が進行する1).一度損傷,摩耗した関節軟骨は自然再生することはなく,骨棘形成や関節面拡大などX線像で検出可能な構造的変化をきたす.末期膝OAにいたると慢性疼痛と著しい日常生活動作(ADL)障害から人工膝関節全置換術の適応となり,要介護や医療経済の面からも重大な問題となっている.近年早期膝OAの概念2)と新たな判定基準3)が提唱され,早期OAに関するエビデンスが蓄積されてきている.本稿では早期膝OAに関する疫学データを中心に有病率や疾患の特徴,予後に関して述べる.
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