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上肢骨変形に対して正確な三次元的矯正を可能とする患者適合型骨切りガイド・プレートの有効性と安全性
Three-dimensional corrective osteotomy for malunited fractures of the upper extremity using patient-matched instruments;a prospective, multicenter, open-label, single-arm trial
岡 久仁洋
1
,
村瀬 剛
1
K. Oka
1
,
T. Murase
1
1大阪大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Graduate School of Medicine, Osaka University, Suita
キーワード:
3D
,
corrective osteotomy
,
patient-matched surgical guide
,
patient-matched plate
Keyword:
3D
,
corrective osteotomy
,
patient-matched surgical guide
,
patient-matched plate
pp.923-926
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei71_923
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【要 旨】
目 的:上肢骨変形に対して正確な三次元的矯正を可能とする,患者適合型骨切りガイド・プレート(patient-matched instrument:PMI)の有効性と安全性を検証することである.
対象および方法:橈骨遠位端変形8例,上腕骨遠位端変形5例,前腕骨幹部変形3例の16例を対象とした.CTから作製した三次元骨モデルを用いて,健側を目標に三次元矯正骨切りシミュレーションを行い,PMIのデザインと製造を行った.PMIを用いて矯正骨切り術を施行した.主要評価項目は,単純X線2方向から計算される最大遺残変形角とした.副次評価項目は,2方向の単純X線における変形角,三次元矯正誤差,関節可動域(ROM),握力(健側比),疼痛[visual analogue scale(VAS)0~10.0cm],The Disabilities of the Arm,Shoulder and Hand(DASH)スコア(0~100)とした.
結 果:最大遺残変形角は術前25.5°±9.9°が術後3.3°±1.4°に改善した(p<0.001).単純X線における変形角は1例(橈骨遠位端)を除いて5°未満に改善した.三次元矯正誤差は1mm,1°未満であった.関節ROMは全例改善し,握力,VAS,DASHスコアは有意に改善した.PMIに関連する有害事象はなかった.
結 論:個々の症例に対して最適な形状にデザインでき,正確な矯正を簡便に行うことができるPMIは高度な治療の標準化に寄与するものである.
© Nankodo Co., Ltd., 2020