Japanese
English
特集 整形外科臨床研究の手引き――適切に行い,正しく読み解くために
Ⅳ.臨床研究に関する法律・規制
3.臨床研究関連規制 7)先進医療・患者申出療養などの保険外併用療養費制度
Advanced medical care and healthcare services based on patients’ application as the Japanese mixed billing program
真田 昌爾
1
S. Sanada
1
1大阪市立大学医学部附属病院臨床研究・イノベーション推進センター臨床研究支援部門
1Osaka City University Hospital Center for Clinical Research and Innovation, Osaka
キーワード:
advanced medical care
,
healthcare services based on patients’ application
,
compassionate use
,
mixed billing program
Keyword:
advanced medical care
,
healthcare services based on patients’ application
,
compassionate use
,
mixed billing program
pp.636-640
発行日 2020年5月30日
Published Date 2020/5/30
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei71_636
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
は じ め に
整形外科領域においても近年の医学の進歩は目覚ましく,それを支える臨床研究は,図1のように,広く新しい医療技術や医薬・医療製品などの研究がヒト(健常人や患者)やその試料を使って行われる段階と定義される.臨床研究は治療を実践する実臨床の場を中心に行われるため,未承認・適応外の製品を用いた臨床研究を保険医療機関で行う医師は,薬事行政とともに保険行政へのコンプライアンスも必要となる.「治験」が製品の薬事承認取得を目的として,医薬品医療機器等法(薬機法)に基づき実施手順・体制(省令GCP)などで有効性・安全性の担保の証明や被験者保護を図る一方,一般の「臨床研究」は診療に関する患者と医師の信頼関係上,さらに研究性など個人の診療以外の目的に関する倫理的配慮を法律や指針などで規定している.
先進医療・患者申出療養はともに特別な「臨床研究」として位置づけられ,本項ではそれらを整形外科的視点も加えて概説する.
© Nankodo Co., Ltd., 2020